■デジタルBOOK■王子とこじき

商品名 : ■デジタルBOOK■王子とこじき

価格 : 800円 (税込 864円)

著:Mark Twain、共訳:おがわみわ、奥山真澄、小林雅子、辻真佐子、中野紅絵、根岸朋子、森真理、山本紗耶、山元雅美、監訳:徳永優子

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監訳者のことば
 知っているようで知らない(私だけ?)、マーク・トウェイン。一八三五年に生まれ一九一〇年に亡くなった、アメリカの国民的作家です。『トム・ソーヤの冒険』や『ハックルベリー・フィンの冒険』がよく知られていますが、特に後者は、ヘミングウェイをして、アメリカの近代文学はすべてこの一冊から出発していると言わせたとか。アメリカが南北戦争、奴隷解放を経て、資本主義社会へと大きく変貌していく時代、トウェインは牧歌的な子ども時代の眼で変貌するアメリカを批判的に見ていたと言います。

 『王子とこじき』は、先に上げた代表作とほぼ同時期の作品です。しかも『ハックルベリー・フィンの冒険』とは同時進行で、こちらを書いていて息詰まったら、あちらを書くという風に書き進められたそうです。その割には『王子とこじき』の主人公は二作とはやや趣を異にしているように思います。あくまでまじめで、けなげな子どもたち。とはいえ、フランス革命を信奉していたというトウェインが、全編、非道な圧政や不正を批判し、苦しむ民衆に共感を寄せる人間味豊かな筆致で書いているのも確かです。

  そしてこの物語の何よりの魅力は、波瀾万丈にして無理のない筋書きと、一六世紀のイギリスの人々の暮らしぶりが、上は宮廷から下は貧民窟まで、まるで見てきたように生き生きと描写されていることです。トウェインは自ら壇上で物語をおもしろく語って人気を博したそうですが、『王子とこじき』にも、どこか講談めいた趣があるように感じます。

 さて、今回新たに翻訳するにあたって考えたこと。幼児向けも含めれば既訳書は数知れず、中でも、昭和初期に訳されて何度か版を重ねた村岡花子訳や、久保田輝男訳(学研版)の古めかしい表現に私個人としては大いに心を引かれました。そうしたすてきな既訳書がありながら、何を新味にできるのか。悩んだ末、ひとつは語りかけ口調を生かして「ですます調」にすること、ふたつ目は、今の子供たちにも寄り添ったある程度新しい表現を使うこと、もうひとつは、歴史的な事実を尊重して訳すこと、これを目標にしようと決めたしだいです。

 ワークショップを進める過程で、いくつか問題点が出てきました。ひとつはタイトルのことです。話の中に出てくるのはいいとしても、今の時代いきなりタイトルに「こじき」はないだろう、という議論です。メンバーからも『王子とトム』、『二人の王子』など名案が出たのですが、結局、あまりにも世の中に浸透した題名なのでそのまま『王子とこじき』にすることにしました。
  ふたつ目はEnglandをどう訳すか、です。既訳書では「イギリス」や「英国」になっていますが、歴史的に正確を期すなら「イングランド」ではないかと思いそうしました。また、トムたちが「年期奉公人のまねをして棒を振り回して遊ぶ」という記述があり、はじめは何のことか見当もつかず、みんなで侃々諤々やったあげく、当時の虐げられた階層である年季奉公人が時折暴動を起こしていたことを調べてくれた人がいて、なるほどとなるようなこともありました。

 そうやって楽しくワークショップをすませたにもかかわらず、翻訳自体がたいへん遅れてしまったこと、メンバーのみなさまにこの場を借りておわび申し上げます。



《トウェンの語り口に講談を見た?いいですね王子とこじき〜Prince and Pauper》
原題 :Prince and Pauper
著者 :Mark Twain 1835-1910
共訳者:おがわみわ、奥山真澄、小林雅子、辻真佐子、中野紅絵、根岸朋子、
    森真理、山本紗耶、山元雅美
監訳 :徳永優子

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