■デジタルBOOK■ヒント水晶の栓

商品名 : ■デジタルBOOK■ヒント水晶の栓

価格 : 700円 (税込 756円)

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監訳者のことば
 この作品は、ルパン・シリーズ全五六編中二三番目に発表されたものです。その意味ではまさに油が乗った時期のもので、ストーリーも複雑ですし、最後の最後までどんでん返しの連続です。「もはやここまで!」と思うところがいったい何箇所あるでしょうか。でも、そこで一ページめくると、「うーむ、やはりヒーローはしぶとい」ということになります。ですから、大波が次々と打ち寄せる海岸でサーフィンを楽しむような感覚で読んでいただけるのではないかと思います。

 また、この作品にはもうひとつ大きな特徴があります。かっこ悪いルパンが見られる、ということです。そんなの見たくないと思われるかもしれませんが、そのかっこ悪さが実はかっこよさに、またひと回り大きな魅力につながっていくのです。ルパン自身が「これほど苦しめられた事件はなかった」と作品中で語っているように、ルパンは今回の事件でどん底に追いこまれます。そこに描かれているのはもはや単なる神出鬼没の怪盗紳士ではなく人間ルパンです。泥の中を這いずりまわるヒーローです(『ランボー』とはちがいますけれども)。それがまたシリーズ中でもひときわ変わった魅力を放っています。

 ところで、ルパン・シリーズというのはいつ読んでもあまり古い感じがしませんが(それだけストーリーがよくできています)、原文を読んでみると、さすがに百年前だなと感じるところが多々あります。特に、地の文に出てくるかなり複雑な長文、これは、そのまま忠実に再現するには講談調にでもしたくなるような語り口です。でも考えてみると、百年前にはそれがいちばんわくわくどきどきする語り口だったのではないでしょうか? その意味で、今回は内容は百年前のまま、わくわくどきどきの感覚だけを現代のリズム感、スピード感に置き換えて訳しています。面白いことに、そうすることによって逆に現代ミステリーとのちがいが浮き上がってくるようにも思えます。

 ルパンといえば子どもの頃読んだ全集が懐かしいという世代(私を含む)から、いや、ルパンといえばこれはもう『ルパン三世』しかないという世代まで、幅広い年齢層の翻訳者九名で取り組んだ今回の新訳、ベルエポック時代のパリを思い浮かべながら、元祖『ルパン一世』の七転八倒ぶりを存分に楽しんでいただけましたら、訳者一同うれしく思います。


《ルパンが動く!実際にあった「パナマ運河疑獄事件」がヒント水晶の栓〜Le bouchon de cristal》
原題  :Le bouchon de cristal
著者 :Maurice LeBlanc 1864-1941
共訳者:池畑奈央子、岩田豪、歌田純子、大西惠、川口須美代、
    菊田笑美子、多田昌代、西村修
監訳 :橘明美

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