■デジタルBOOK■ウォートンの幽霊小説集

商品名 : ■デジタルBOOK■ウォートンの幽霊小説集

価格 : 800円 (税込 864円)

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監訳者のことば
 イーディス・ウォートンといえば一九世紀後半から二〇世紀前半におけるニューヨークの"上流階級"の人々を描いた『無垢の時代』『歓楽の家』『イーサン・フローム』などで知られるピューリツァー賞作家です。

  一〇年ほど前にピューリツァー作品『無垢の時代』を原作とし、監督マーティン・スコセッシ、主演ミシェル・ファイファーで『エイジ・オブ・イノセンス』という映画が作られましたので、ご存知のかたも多いと思います。また、近年本国アメリカでは、ほかの作品もテレビドラマ化されていると聞きます。クラシックといえども現代の人々の心にも深く訴えかけるだけのパワーを持つ傑作を生み出した、アメリカを代表する作家といえましょう。

 そんなウォートンが最晩年にたった一冊だけ書いた幽霊物語――それが本書です。このたび一三人のワークショップ参加者のみなさんと三〇〇ページに渡るこの本を訳したわけですが、まず申し上げたいことは、とてもとても難しかったということです。ウォートンの文章ははっきりした言葉使いで緻密な計算の上に組み立てられており、まるで豪華なクリスタルの宮殿を思わせるところがあるのですが、いざ日本語にしてみると、あちらこちらで扉や壁が抜けてしまい、その姿を具体的にイメージすることができません。

  教養あるウォートンの文章では、ときには言葉ひとつの裏に込められた意味が大変大きく、ただ字面を読んだだけでは真意が読み取れない場合が多々あるのです。なかにはこの作品が書かれた一九三〇年代の一般常識を踏まえた文章もあり、訳者のみなさんは、英語を読みやすい日本語に翻訳するだけでなく、裏づけをとるための調べものに本当に多くの時間を費やしました。いつ戻れるともわからない情報の海へと漕ぎ出して四か月間、翻訳の醍醐味をたっぷりと堪能して帰ってきたことでしょう。

 本書は人間の営みに対する洞察力にかけては一流のウォートンが書いた幽霊物語です。一通りの怪奇物語ですむはずがありません。おどろおどろしいものを期待して読まれた方は拍子抜けしたかもしれませんが、読んだ直後のあなたは単にストーリーを知っただけです。本当の恐ろしさは時がたてばたつほどあなたの中で熟成して大きくなり、あなただけを震え上がらせる恐怖へと成長し、最期の日まであなたにつきまといます。それほどまでの恐怖を伝えられたとき、わたしたち一四人の努力も報われることでしょう。



《本邦未訳:女性初のピューリツァー賞作家の『幽霊小説』「ウォートンの幽霊小説集」》
原題  :The Ghost Stories
著者  :Edith Wharton  1862-1937
共訳者:パリジェン聖絵、久常慶子、奈良光国、吉成淳一、上村好美、
    川名宏美、増田節子、新保亜紀、田中夏代、堀江真知子、
    里見久実子、木下真由美、岩崎たまゑ
監訳 :森真理

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